メモ帳のアプリなんて、いくらでもある。
ストアを開けば高機能なアプリが並んでいる。
文字数をカウントし、文字の色や大きさを変え、フォルダで分類し、クラウドで同期して、写真も貼れて、手書きにも対応して……
最初はそんな高機能なメモ帳を作ろうとしていた。
でも、その試作品を見た友人の感想を聞いて考えが変わった。
「機能が多すぎる」
「スマホのメモなんて手帳に書き写したらもう見ない。もっと簡単に捨てられるようにして欲しい」
捨てる。
捨てることを忘れていた。
デジタルデータは場所を取らないから捨てる必要はないって思う人もいるかもしれないけど、それは違う。いらないものをいつまでも捨てないとストレスになる。
そんなわけで、捨てやすさに主眼をおいたメモ帳を作った。メモ帳と言えるほど機能が揃っているかも怪しい。だから名前は「下書き君」だ。下書きは用が済んだら捨てるもの。メモを溜め込むのは、もうやめよう。